JR西日本とNTT西日本が共同検証を開始、光ファイバセンシングで鉄道オペレーションの革新へ

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西日本旅客鉄道(JR西日本)とNTT西日本は、通信用の光ファイバを振動センサーとして利用する「光ファイバセンシング技術」を鉄道分野に応用するための共同検証を本格的に開始しました。この取り組みは、鉄道の安全・安心な運行を維持するために不可欠な、運行状況や設備状態の把握における人手不足という大きな課題に対応するものです。

この光ファイバセンシング技術は、光ファイバに光を入射し、反射光の変化を解析することで、振動が発生した場所と内容を数十kmという広範囲にわたって連続的かつ高精度に検知できる点が特長です。これにより、新たな設備投資を抑えつつ、少人数での広域な常時モニタリングが可能となります。

両社が行った基礎研究では、この技術で列車の走行位置を高精度に検知できることが確認されており、その有効性が示されました。今後は、この技術をさらに進化させ、列車位置検知の深度化に加え、落石や倒木の検知、設備異常検知などの技術検証を進めることで、列車運行中の安全確保に貢献することを目指しています。将来的には、設備構成の簡素化も含め、鉄道オペレーション全体の革新と新たな価値創造に取り組む予定です。

・通信用光ファイバを振動センサーとして活用する技術です。
・少子高齢化による保守要員不足への対応を目指します。
・数十kmの広範囲にわたり、高精度かつ連続的なモニタリングが可能です。
・まずは列車位置検知の深度化、落石・倒木、設備異常検知などの検証を進めます。
・2025年11月開催の「第9回鉄道技術展2025」で基礎研究の成果が紹介されます。

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